Uniswap/DEX/AMMと日本法

2020.10.23

 本稿では、Decentralized Finance(DeFi、分散型金融)におけるDEX(Decentralized Exchange:分散型取引所)、より細分化した分類ではAMM(Automated Market Makers)について、最大手プラットフォームであるUniswapを中心に法規制を検討します。
 なお、当事務所では別途、DeFiに関連する様々な資料を発表しておりますので、ご関心ある方はあわせてご確認下さい。

当事務所公表の他のDeFi関連資料
(1)   「DeFiと日本法」 全般について解説するセミナー資料(2020年10月20日付)
https://www.slideshare.net/SoSaito1/defi-and-japanese-law-oct-20-2020-version 
(2)   「イールドファーミング/リクイディティマイニング/Compoundと日本法」(2020年7月31日付) https://innovationlaw.jp/yield-farming-and-liquidity-mining-in-japan/
(3)   「DeFiによる暗号資産デリバティブ取引/信用取引と日本法」(2020年9月10日付) https://innovationlaw.jp/defi-derivative-in-japan/
(4)   「日本法下のステーブルコイン」(2019年6月18日付) https://innovationlaw.jp/stable-coins-under-japanese-law/
(5)   「DeFiの主要な構成要素」(2020年10月05日付) https://innovationlaw.jp/key-building-blocks-of-defi/

I UniswapなどDEX/AMMの仕組み

1 DEX/AMMとは

 DEXとは、本邦の暗号資産交換業者など特定の事業者が管理する中央集権型の取引所(Centralized Exchange/CEX)とは異なり、主にEthereumブロックチェーンのスマートコントラクトにより構築されたP2Pのトークンの取引所を意味する。DEXは主としてオーダーブック形式のものとAMM形式のものとに分類することができる。

2 オーダーブック形式とAMM形式の違い

 オーダーブック形式のDEXは、売買注文のマッチングはブロックチェーン外(オフチェーン)で行い、マッチング後の決済はブロックチェーン(オンブロックチェーン)で行うことにより、効率性と信用リスクのバランスを取る方式である。利用者(メイカー)は売買注文を、スマートコントラクトを介して、オーダーブックに出す。オーダーブックを確認して取引に応じる者(テイカー)が対応する注文を出し、マッチングした後の決済はオンブロックチェーンで行う。オーダーブックの管理は第三者であるリレイヤーが行う。オーダーブック形式のDEXの例としては0xなどがある。なお、オーダーブックをオンチェーンで管理するもの (例:EtherDelta)も存在する。

 これに対し、AMM形式のDEXとは、トークンのペアがあらかじめ流動性プール(Liquidity Pool)に流動性提供者(Liquidity Provider)により提供され、トークンの交換を希望する者は、自らが保有するトークンを流動性プールに加え、流動性プールに蓄積されたトークンを引き出すことにより、トークンの交換を行う方式である。AMMでは、オーダーブックを介することなく、トレーダーがトークンをダイレクトに交換することができるという特徴がある。AMM形式のDEXの例として、Uniswapの概要を後述する(その他、代表的なAMM形式のDEXとしてはSushiSwap、Kyber Network等がある。)。

<各方式の比較>

マッチング決済特徴
中央集権型取引所が提供する板(オフチェーン)取引所内(オフチェーン、信用リスクあり)UI/UXが通常は最も簡便
取引所の信用リスクあり
利用者が多く通常最も有利な価格で約定
取扱コインは取引所が選択
法定通貨や非Ethereumトークンも取り扱える
DEX(オーダーブック方式)リレイヤーなどが提供する板(オフチェーン又はオンチェーン)オンチェーン(信用リスクなし)取引の利便性と信用リスクのバランスをはかる
コントラクトが取扱可能なコイン(Ethereumベース又はEthereumベースに変換)のうち、リレイヤーが選択したコインが取り扱われる
DEX(AMM方式)Liquidity Pool(オンチェーン)Liquidity Pool(オンチェーン、信用リスクなし)プールが設定されている限り、即座に決済がなされる
プールが多額であれば決済時の価格変動は少ないが、それでも中央集権型取引所よりは価格が不利なことが多いと思われる
コントラクトが取り扱えるコイン(Ethereumベース又はEthereumベースに変換)のうちLiquidity Providerが自由に選択して提供

3 Uniswap の仕組み

 Uniswapは、2018年11月に開始されたAMM形式のDEXである。ユーザーは、交換手数料である0.30%の固定料金を支払うことで、流動性の提供がなされている任意のEther(ETH)やERC20トークンの交換を行うことができる。流動性プールへの流動性(EtherやERC20トークンのペア)の提供は誰もが行うことができ、提供できるトークンは既存のトークンに限られないため、新たなトークンをUniswapを使って流通させることが可能である(Initial DEX Offering)。流動性の提供者は、LPトークン(Liquidity Tokens)の発行を受けたうえ、トレーダーから支払われる交換手数料の分配を受ける権利を取得する。また、LPトークンを償却することで、流動性プールに預け入れたトークンペアと、ロック中に自己に分配された交換手数料を獲得することができる。Uniswapのスマートコントラクトのコアな要素として、交換対象となる流動性プール内の二種類のトークンの残高の積が一定値となるように交換価格が決定される仕組みがある(*1)。なお、交換レートの他の取引所との価格乖離については、トレーダーによる裁定取引(アービトラージ)が行われることにより是正される。2020年9月以降、流動性提供者やユーザー等に対しては、UNIというガバナンストークンが配布されることになった。

*1 価格決定メカニズム
x * y = k
xとyはプール内の各トークンの数を表す。xとyは時間の経過とともに変化するが、kは一定であり、AMMは任意の時点で各資産の価格を決定する。

x=100枚、y=50枚、k=5,000
これにx10枚提供 x=110、k=5000、y=45.45、x10枚にy4.54枚が交付
再度x10枚提供、x=120、k=5000、y=41.666、結果x10枚にy3.787枚交付
※Uniswapの派生AMMであるSushiSwap
 DeFiにおいては、一般にソースコードが公開されていることから、ほぼ同一のプロジェクトを設定することが容易である。Uniswapから派生して、SushiSwapというAMMが2020年8月に設定され、当該プロジェクトもDeFi業界で著名となったので、SushiSwapの仕組みについて若干紹介する。但し、法的論点はUniswapとほぼ同様になると思われる。
 SushiSwapでは、流動性の提供者に対して、Sushiトークン(SLP (Sushiswap Liquidity Provider) tokens)というガバナンストークンをインセンティブとして付与する。SushiSwapは、Uniswapと異なり、取引するユーザーが支払う手数料の0.3%のうち、0.25%は従来通り流動性提供者に配られ、残りの0.05%はSushiトークンの所有者に配られる。SushiSwapは、匿名の設立者シェフ・ノミにより2020年8月下旬に運用開始され、同年9月1日には暗号資産取引所のFTXとバイナンスにSushiトークンが上場している。

II 結論のまとめ

1 Uniswapによるトークンの交換等に関する法規制

(1) 暗号資産の交換について
・ ユーザーが行う暗号資産同士の交換は、仮にAMMで行われていても日本法上は「暗号資産の交換」に該当する。
・ しかし、完全に非中央集権でありスマートコントラクトのみで動いているUniswapでは、コントラクト自体は「媒介」を業として行う「者」ではなく、暗号資産交換業の規制は適用されないと思われる。
・ なお、Uniswapへのアクセスソフトを提供する「者」については、媒介規制に該当する可能性がある。

(2) 法定通貨担保型ステーブルコインの交換について
・ 本邦では法定通貨担保型ステーブルコイン同士の交換には明確な規制はない。
・ 法定通貨担保型ステーブルコインと暗号資産の交換が暗号資産の売買や交換に該当するかは不明確であるが、仮に該当したとしても上記(1)と同様の議論になる。

2 流動性プールによるトークンの受入れに関する法規制

(1) 暗号資産の受入れ
・ 消費貸借又はファンドに類似する法的性質をもつと思われるため、暗号資産の管理には該当せず、資金決済法上のカストディ規制の適用はないと思われる。
・ 仮に消費寄託であると考えても、Uniswapでは暗号資産を管理する事業者がおらず、カストディ規制の適用はないと思われる。
・ なお、暗号資産の受入れには、出資法の預り金規制は適用されない。

(2) 法定通貨担保型ステーブルコインの受入れ
・ 法定通貨担保型ステーブルコインは暗号資産ではないため、資金決済法上のカストディ規制の適用はない。
・ 出資法上の預り金規制についても、法定通貨担保型ステーブルコインが「金銭」ではないため、預金と同様の経済的性質を有するとして預り金規制が適用されることはないと思われる。

3 トークンの発行及びトークンの交換手数料の分配に関する法規制

(1) LPトークンの発行について
・ 流動性の提供者が取得する権利は、提供された流動性を用いてUniswapが暗号資産の交換を行ったことで獲得した交換手数料につき、その分配を受ける権利であり、それをトークン化したLPトークンは電子記録移転権利(集団投資スキーム持分)に該当する可能性がある。
・ 他方、流動性提供者への損失の配分については予定されていないと思われるため、電子記録移転権利とは法的性質が異なるとも考えうる。ここは難問であり更に要検討。
・ なお、LPトークンが電子記録移転権利とみなされた場合でも、Uniswapは、その発行や運用を行う「者」ではないため、金商法上の開示規制や金商業規制の適用はないものと思われる。

(2) ガバナンストークンの発行について
・ ガバナンストークンUNIは暗号資産に該当するものと考えられるが、Uniswapを利用したことによる報酬、一種のおまけ的なものとして配布されていると考えられるため、暗号資産の売買等には該当せず、資金決済法上の規制はない。

Ⅲ 暗号資産交換業、電子記録移転権利規制等の概要

 Uniswapの法規制を検討する前提として、暗号資産交換業に関する資金決済法等の規制、金商法上の電子記録移転権利の規制、出資法規制の概要を述べる。規制概要をご承知の方は、本章を飛ばし、Ⅳにお進み下さい。

1 暗号資産の定義

 暗号資産は資金決済法において以下のとおり定義されている(資金決済法2条5項)。

1号暗号資産① 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができるもの
② 不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができるもの
③ 電子機器その他の物に電子的方法により記録されている財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
④ 本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産以外のもの
⑤ 金融商品取引法2条3項に規定する電子記録移転権利以外のもの
2号暗号資産不特定の者を相手方として1号暗号資産と相互に交換を行うことができるもので、1号暗号資産の③~⑤の要件を満たすもの

 上記の①及び②の要件を判断するに当たっては、例えば、「ブロックチェーン等のネットワークを通じて不特定の者の間で移転可能な仕組みを有しているか」、「発行者と店舗等との間の契約等により、代価の弁済のために暗号資産を使用可能な店舗等が限定されていないか」、「発行者が使用可能な店舗等を管理していないか」、「発行者による制限なく、本邦通貨又は外国通貨との交換を行うことができるか」、「本邦通貨又は外国通貨との交換市場が存在するか」等が考慮要素になるものとされている(金融庁事務ガイドライン第三分冊金融会社関係16暗号資産交換業者関係Ⅰ-1-1)。

 なお、「通貨建資産」は暗号資産の定義から除外されており、ステーブルコインのうち通貨にリンクするものは暗号資産には該当しない(*2)

*2 法定通貨担保型ステーブルコインの法的性質
 ステーブルコインのうち、ドルや円といった法定通貨を担保にし、「発行者等と利用者との間の契約等により、発行者等が当該利用者に対して法定通貨をもって払い戻す等の義務を負っている」法定通貨担保型のものについては、資金決済法2条6項に定める通貨建資産であると考えることができるため、暗号資産の定義から除外される(金融庁事務ガイドライン第三分冊金融会社関係16暗号資産交換業者関係Ⅰ-1-1-④)。

2 暗号資産交換業の規制

(1) 暗号資産交換業
 資金決済法では、以下のいずれかの行為を「業として行うこと」を暗号資産交換業と定め、これを行うには内閣総理大臣の登録を必要としている(資金決済法63条の2)。

① 暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換
② ①に掲げる行為の媒介、取次ぎ又は代理
③ ①、②に関して、利用者の金銭の管理をすること
④ 他人のために暗号資産の管理をすること(当該管理を業として行うことにつき他の法律に特別の規定のある場合を除く)

 なお、「業として行うこと」とは、「対公衆性」のある行為で「反復継続性」をもって行うことをいうものと解される。具体的な行為が「対公衆性」や「反復継続性」を有するものであるか否かについては、個別事例ごとに実態に即して実質的に判断すべきとされる。なお、「対公衆性」や「反復継続性」については、現実に「対公衆性」のある行為が反復継続して行われている場合のみならず、「対公衆性」や「反復継続性」が想定されている場合等も含まれる[1]

(2) 暗号資産の交換等
 事業者が自ら保有する暗号資産を利用者の暗号資産と交換する場合には、上記①の暗号資産の交換に該当し、事業者が利用者間の暗号資産の交換のマッチングサービスを提供するなど、利用者の委託を受けて利用者間の暗号資産の交換契約の成立に尽力する場合には、上記②の暗号資産の交換の媒介等に該当する。

(3) 暗号資産の管理(カストディ)
 「他人のために暗号資産の管理をすること」とは、利用者の関与なく、単独又は関係事業者と共同して、利用者の暗号資産を移転でき得るだけの秘密鍵を保有する場合など、事業者が主体的に利用者の暗号資産の移転を行い得る状態にある場合をいう。そのため、暗号資産の保管をする場合であっても、事業者がユーザーの暗号資産を移転するために必要な秘密鍵を一切保有していない場合には、当該事業者は、主体的に利用者の暗号資産の移転を行い得る状態にないため、基本的には、「他人のために暗号資産を管理すること」には該当しないと考えられている[2]
 また、暗号資産の消費貸借は「他人のために暗号資産を管理すること」には該当しないとされている[3]

3 出資法上の預り金規制

 出資法では、銀行法による銀行など他の法律に特別の規定のある者を除くほか、何人も業として預り金をしてはならないと定めている(出資法2条)。また、預り金の内容は以下のとおり定められている。

① 預金、貯金又は定期積金の受入れ
② ①に掲げるものと同様の経済的性質を有するもの

②については、次の4つの要件のすべてに該当するものとされている[4]
a 不特定かつ多数の者が相手であること
b 金銭の受け入れであること
c 元本の返還が約されていること
d 主として預け主の便宜のために金銭の価額を保管することを目的とするものであること

4 金商法と電子記録移転権利(集団投資スキーム持分)の意義

(1) 集団投資スキーム持分
 金商法ではファンド(集団投資スキーム)を以下のとおり定め、有価証券とみなして規制対象としている(金商法2条2項5号)。なお、暗号資産も「金銭」とみなされている (金商法2条の2)。

① 組合その他の権利であって、
② 出資又は拠出をした金銭(暗号資産)を充てて行う事業から生ずる、
③ 収益の配当又は当該事業に係る財産の分配を受けることができる権利で、
④ 除外事由(金商法2条2項5号イ~ハ[5])に該当しないもの

 上記①の「その他の権利」の概念は非常に広く、法形式の如何は問われないとされている。また、②の「金銭(暗号資産)を充てて行う事業」という点も広く解釈されており、例えば、スマートコントラクトが出資を受けた暗号資産等の貸付を行う、という行為も事業と考えられる。

(2) 電子記録移転権利
 金商法は、2条2項各号に掲げる権利のうち一定の要件を満たすものを電子記録移転権利として追加的な規制を加えている。集団投資スキーム持分についても以下の要件を満たす場合に電子記録移転権利となる。但し、流通性その他の事情を勘案して内閣府令で定めるものは除かれる[6]

① 電子情報処理組織を用いて移転することができる財産的価値に表示されるもの
② 電子機器その他の物に電子的方法により記録されるもの

Ⅳ Uniswapへの法規制の適用関係

1 Uniswapにおけるトークンの交換について

 Uniswapでは、その流動性プールに蓄積された各種トークンとユーザー所有のトークンとの交換が行われており、「暗号資産の交換」がなされているものと考えられる(なお、本邦では法定通貨担保型ステーブルコイン同士の交換には規制はない)[7]
 もっとも、Uniswapでは、暗号資産の交換はスマートコントラクト上で行われ、中央集権的な管理者がいない。そのため、コントラクト自体は「媒介」を行う「者」ではなく、資金決済法の規制対象外と考えて良いと思われる。
 但し、Uniswapの場合、Uniorgのホームページ上からUniswap利用が簡単にできるようになっている。同ホームページが、交換の成立のために尽力している、と見られた場合、同社が「媒介」規制に服する可能性は考えられる。
 なお、仮に同社が規制対象となりホームページがなくなったとしても、Uniswapは同ホームページを経由しなくても他のソフトウェアを経由したりコントラクトに直接アクセスできる仕組みである。UI/UX的には現時点ではホームページの存在が便利であるが、仮に何らかの規制が及ぶ場合、そのようなホームページに頼らない仕組みが登場することも考えられよう。

2 流動性プールでのトークンの受入れとカストディ業務

(1) 暗号資産の受入れ
 Uniswapの流動性プールでは、流動性の提供者により暗号資産のペアが預け入れられる。流動性プールでのトークンの受入れが、暗号資産のカストディ規制の「他人のために暗号資産の管理をすること」に該当するかが問題となる。
 民法上、「消費寄託は、目的物(の価値)を寄託者が自ら保管する危険を回避しようとするものであって、寄託の利益が寄託者にあるのに対し、消費貸借は、借主がその目的物を利用するためのものであり、ここに消費寄託と消費貸借の違いがある」[8]とされる。
 暗号資産の流動性プールへの提供は、流動性提供者が暗号資産を自ら保管する危険を回避することではなく、手数料収入を得るための一種の運用として行われるのであり、消費貸借又はファンドの一種であると考えられる[9]。そして、暗号資産の消費貸借やファンドにはカストディ規制の適用はないため、Uniswapの流動性プールへの暗号資産の提供もカストディ規制の適用はないと思われる。

(2) 法定通貨担保型ステーブルコインの受入れ
 法定通貨担保型ステーブルコインは暗号資産ではないため、資金決済法上のカストディ規制の適用はない。
 そこで、出資法の預り金規制(出資法2条)の適用の有無が問題となるが、上記Ⅲの3記載のとおり、預り金規制の対象は「金銭」の受け入れとされており、金銭ではないステーブルコイン等のトークンの受け入れについては預り金規制の適用はないと考えられる。

3 トークンの流動性プールへの提供とファンド規制

(1) LPトークンについて
 上記Ⅲの4(1)に記載のとおり、本邦でファンドとは、①組合その他の権利で、②出資又は拠出をした金銭(暗号資産)を充てて行う事業から生ずる、③収益の配当又は当該事業に係る財産の分配を受ける事ができるもので、④除外事由に該当しないもの、とされている。
 そして、流動性プールへのトークンの提供について、①流動性提供者がUniswapに対し何らかの権利を有し、②トークンを流動性プールに提供することで資金の出資又は拠出を行っており、その資金を使って、Uniswapが暗号資産交換の事業を行い、③その結果、得られた手数料収益が、Uniswapから流動性提供者に対し、プールの流動性への貢献割合に応じて分配がなされている、と考えれば、これらの仕組みは一種ファンドに近いと言いうる。
 なお、①に関しては、そもそも完全な分散型金融で発行されたトークンは「権利」に該当しないため、ファンドではないという議論はありえよう。但し、発行体がいないという点で同様であるビットコインに関し、現在では何らかの権利性を認める見解が有力であり[10]、スマートコントラクトに対しても一応は何らかの権利が成り立つ、という可能性はある。また、③については、手数料の分配が一種の配当とみられるか、流動性提供者への損失の配分が予定されていない消費貸借の利息とみられるかが問題となるが、一種の配当と見られる可能性がある。
 このように流動性提供者のUniswapに対する権利がファンドに該当する場合、その権利をトークン化したLPトークンは電子記録移転権利に該当し、自らその取得勧誘を業として行うには第二種金融商品取引業の登録を要し(金商法2条8項7号へ、28条2項1号、29条)、その発行においては開示規制が課される等(金商法3条3号ロ、4条1項、24条1項3号等)、金商法の適用関係を考える必要がある。他方、ファンドに該当しない場合には、暗号資産となり、暗号資産交換業規制の適用関係が問題となろう。
 もっとも、金融商品取引業や暗号資産交換業を行う「者」が存在しない場合、規制対象外となる可能性があること、ただし、運営者がいないかについて慎重な検討が必要であることは、上記Ⅳの1に記載したケースと同様である。

(2) ガバナンストークンUNIの発行について
 ガバナンストークンであるUNIトークンは、ERC-20規格により発行され、電子機器その他の物に電子的方法により記録されている財産的価値であり、電子情報処理組織を用いて移転することができること、外部の取引所等で他の暗号資産と交換可能であること、また通貨建て資産ではなく、配当等もないことから、日本法上の暗号資産に該当すると考えられる。そして、暗号資産の発行を対価を得て行った場合、日本ではICO類似として暗号資産交換業の該当性を検討する必要がある。
 しかしながら、UNIは、その発行に対価の支払いやトークンの交換が伴うものではなく、Uniswapを利用したことによる報酬、一種のおまけ的なものとして配布されていると考えられ、暗号資産の売買等には該当せず、資金決済法の規制はないと思われる。

留保事項
本稿の内容は関係当局の確認を経たものではなく、法令上、合理的に考えられる議論を記載したものにすぎません。
事実関係は各種の公表資料を分析したものであり、事実関係により結論は異なりえます。また、当職らの現状の考えに過ぎず、当職らの考えにも変更がありえます。
本稿は、DeFi(Uniswapその他のサービス)の利用を推奨するものではありません。
本稿は議論用に纏めたものに過ぎません。具体的案件の法律アドバイスが必要な場合には各人の弁護士等にご相談下さい。

参考条文

金商法

第2条(定義)
2 前項第一号から第十五号までに掲げる有価証券、同項第十七号に掲げる有価証券(同項第十六号に掲げる有価証券の性質を有するものを除く。)及び同項第十八号に掲げる有価証券に表示されるべき権利並びに同項第十六号に掲げる有価証券、同項第十七号に掲げる有価証券(同項第十六号に掲げる有価証券の性質を有するものに限る。)及び同項第十九号から第二十一号までに掲げる有価証券であつて内閣府令で定めるものに表示されるべき権利(以下この項及び次項において「有価証券表示権利」と総称する。)は、有価証券表示権利について当該権利を表示する当該有価証券が発行されていない場合においても、当該権利を当該有価証券とみなし、電子記録債権(電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権をいう。以下この項において同じ。)のうち、流通性その他の事情を勘案し、社債券その他の前項各号に掲げる有価証券とみなすことが必要と認められるものとして政令で定めるもの(第七号及び次項において「特定電子記録債権」という。)は、当該電子記録債権を当該有価証券とみなし、次に掲げる権利は、証券又は証書に表示されるべき権利以外の権利であつても有価証券とみなして、この法律の規定を適用する。
五 民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百六十七条第一項に規定する組合契約、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百三十五条に規定する匿名組合契約、投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約又は有限責任事業組合契約に関する法律(平成十七年法律第四十号)第三条第一項に規定する有限責任事業組合契約に基づく権利、社団法人の社員権その他の権利(外国の法令に基づくものを除く。)のうち、当該権利を有する者(以下この号において「出資者」という。)が出資又は拠出をした金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。)を充てて行う事業(以下この号において「出資対象事業」という。)から生ずる収益の配当又は当該出資対象事業に係る財産の分配を受けることができる権利であつて、次のいずれにも該当しないもの(前項各号に掲げる有価証券に表示される権利及びこの項(この号を除く。)の規定により有価証券とみなされる権利を除く。)
イ 出資者の全員が出資対象事業に関与する場合として政令で定める場合における当該出資者の権利
ロ 出資者がその出資又は拠出の額を超えて収益の配当又は出資対象事業に係る財産の分配を受けることがないことを内容とする当該出資者の権利(イに掲げる権利を除く。)
ハ 保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第一項に規定する保険業を行う者が保険者となる保険契約、農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第十号に規定する事業を行う同法第四条に規定する組合と締結した共済契約、消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号)第十条第二項に規定する共済事業を行う同法第四条に規定する組合と締結した共済契約、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十一条第一項第十一号、第九十三条第一項第六号の二若しくは第百条の二第一項第一号に規定する事業を行う同法第二条に規定する組合と締結した共済契約、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の二第七項に規定する共済事業を行う同法第三条に規定する組合と締結した共済契約又は不動産特定共同事業法(平成六年法律第七十七号)第二条第三項に規定する不動産特定共同事業契約(同条第九項に規定する特例事業者と締結したものを除く。)に基づく権利(イ及びロに掲げる権利を除く。)
ニ イからハまでに掲げるもののほか、当該権利を有価証券とみなさなくても公益又は出資者の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして政令で定める権利

3 この法律において、「有価証券の募集」とは、新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘(これに類するものとして内閣府令で定めるもの(次項において「取得勧誘類似行為」という。)を含む。以下「取得勧誘」という。)のうち、当該取得勧誘が第一項各号に掲げる有価証券又は前項の規定により有価証券とみなされる有価証券表示権利、特定電子記録債権若しくは同項各号に掲げる権利(電子情報処理組織を用いて移転することができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されるものに限る。)に表示される場合(流通性その他の事情を勘案して内閣府令で定める場合を除く。)に限る。以下「電子記録移転権利」という。)(次項及び第六項、第二条の三第四項及び第五項並びに第二十三条の十三第四項において「第一項有価証券」という。)に係るものである場合にあつては第一号及び第二号に掲げる場合、当該取得勧誘が前項の規定により有価証券とみなされる同項各号に掲げる権利(電子記録移転権利を除く。次項、第二条の三第四項及び第五項並びに第二十三条の十三第四項において「第二項有価証券」という。)に係るものである場合にあつては第三号に掲げる場合に該当するものをいい、「有価証券の私募」とは、取得勧誘であつて有価証券の募集に該当しないものをいう。
一 多数の者(適格機関投資家(有価証券に対する投資に係る専門的知識及び経験を有する者として内閣府令で定める者をいう。以下同じ。)が含まれる場合であつて、当該有価証券がその取得者である適格機関投資家から適格機関投資家以外の者に譲渡されるおそれが少ないものとして政令で定める場合に該当するときは、当該適格機関投資家を除く。)を相手方として行う場合として政令で定める場合(特定投資家のみを相手方とする場合を除く。)
二 前号に掲げる場合のほか、次に掲げる場合のいずれにも該当しない場合
イ 適格機関投資家のみを相手方として行う場合であつて、当該有価証券がその取得者から適格機関投資家以外の者に譲渡されるおそれが少ないものとして政令で定める場合
ロ 特定投資家のみを相手方として行う場合であつて、次に掲げる要件の全てに該当するとき(イに掲げる場合を除く。)。
(1) 当該取得勧誘の相手方が国、日本銀行及び適格機関投資家以外の者である場合にあつては、金融商品取引業者等(第三十四条に規定する金融商品取引業者等をいう。次項、第四条第一項第四号及び第三項、第二十七条の三十二の二並びに第二十七条の三十四の二において同じ。)が顧客からの委託により又は自己のために当該取得勧誘を行うこと。
(2) 当該有価証券がその取得者から特定投資家等(特定投資家又は非居住者(外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第六条第一項第六号に規定する非居住者をいい、政令で定める者に限る。)をいう。以下同じ。)以外の者に譲渡されるおそれが少ないものとして政令で定める場合に該当すること。
ハ 前号に掲げる場合並びにイ及びロに掲げる場合以外の場合(当該有価証券と種類を同じくする有価証券の発行及び勧誘の状況等を勘案して政令で定める要件に該当する場合を除く。)であつて、当該有価証券が多数の者に所有されるおそれが少ないものとして政令で定める場合

8 この法律において「金融商品取引業」とは、次に掲げる行為(その内容等を勘案し、投資者の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして政令で定めるもの及び銀行、優先出資法第二条第一項に規定する協同組織金融機関(以下「協同組織金融機関」という。)その他政令で定める金融機関が行う第十二号、第十四号、第十五号又は第二十八条第八項各号に掲げるものを除く。)のいずれかを業として行うことをいう。
七 有価証券(次に掲げるものに限る。)の募集又は私募
ヘ 第二項の規定により有価証券とみなされる同項第五号又は第六号に掲げる権利
九 有価証券の募集若しくは売出しの取扱い又は私募若しくは特定投資家向け売付け勧誘等の取扱い

第2条の2(金銭とみなされるもの)
暗号資産は、前条第二項第五号の金銭、同条第八項第一号の売買に係る金銭その他政令で定める規定の金銭又は当該規定の取引に係る金銭とみなして、この法律(これに基づく命令を含む。)の規定を適用する。

第3条(適用除外有価証券)
この章の規定は、次に掲げる有価証券については、適用しない。
三 第二条第二項の規定により有価証券とみなされる同項各号に掲げる権利(次に掲げるものを除く。)
ロ 電子記録移転権利

第4条(募集又は売出しの届出)
1 有価証券の募集(特定組織再編成発行手続を含む。第十三条及び第十五条第二項から第六項までを除き、以下この章及び次章において同じ。)又は有価証券の売出し(次項に規定する適格機関投資家取得有価証券一般勧誘及び第三項に規定する特定投資家等取得有価証券一般勧誘に該当するものを除き、特定組織再編成交付手続を含む。以下この項において同じ。)は、発行者が当該有価証券の募集又は売出しに関し内閣総理大臣に届出をしているものでなければ、することができない。ただし、次の各号のいずれかに該当するものについては、この限りでない。
一 有価証券の募集又は売出しの相手方が当該有価証券に係る次条第一項各号に掲げる事項に関する情報を既に取得し、又は容易に取得することができる場合として政令で定める場合における当該有価証券の募集又は売出し

第24条(有価証券報告書の提出)
1 有価証券の発行者である会社は、その会社が発行者である有価証券(特定有価証券を除く。次の各号を除き、以下この条において同じ。)が次に掲げる有価証券のいずれかに該当する場合には、内閣府令で定めるところにより、事業年度ごとに、当該会社の商号、当該会社の属する企業集団及び当該会社の経理の状況その他事業の内容に関する重要な事項その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項を記載した報告書(以下「有価証券報告書」という。)を、内国会社にあつては当該事業年度経過後三月以内(やむを得ない理由により当該期間内に提出できないと認められる場合には、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた期間内)、外国会社にあつては公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める期間内に、内閣総理大臣に提出しなければならない。ただし、当該有価証券が第三号に掲げる有価証券(株券その他の政令で定める有価証券に限る。)に該当する場合においてその発行者である会社(報告書提出開始年度(当該有価証券の募集又は売出しにつき第四条第一項本文、第二項本文若しくは第三項本文又は第二十三条の八第一項本文若しくは第二項の規定の適用を受けることとなつた日の属する事業年度をいい、当該報告書提出開始年度が複数あるときは、その直近のものをいう。)終了後五年を経過している場合に該当する会社に限る。)の当該事業年度の末日及び当該事業年度の開始の日前四年以内に開始した事業年度全ての末日における当該有価証券の所有者の数が政令で定めるところにより計算した数に満たない場合であつて有価証券報告書を提出しなくても公益又は投資者保護に欠けることがないものとして内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣の承認を受けたとき、当該有価証券が第四号に掲げる有価証券に該当する場合において、その発行者である会社の資本金の額が当該事業年度の末日において五億円未満(当該有価証券が第二条第二項の規定により有価証券とみなされる有価証券投資事業権利等又は電子記録移転権利である場合にあつては、当該会社の資産の額として政令で定めるものの額が当該事業年度の末日において政令で定める額未満)であるとき、及び当該事業年度の末日における当該有価証券の所有者の数が政令で定める数に満たないとき、並びに当該有価証券が第三号又は第四号に掲げる有価証券に該当する場合において有価証券報告書を提出しなくても公益又は投資者保護に欠けることがないものとして政令で定めるところにより内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
三 その募集又は売出しにつき第四条第一項本文、第二項本文若しくは第三項本文又は第二十三条の八第一項本文若しくは第二項の規定の適用を受けた有価証券(前二号に掲げるものを除く。)

第28条(金融商品取引業者等)
2 この章において「第二種金融商品取引業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。
一 第二条第八項第七号に掲げる行為

第29条(登録)
金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。

資金決済法

第2条(定義)
5 この法律において「暗号資産」とは、次に掲げるものをいう。ただし、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第三項に規定する電子記録移転権利を表示するものを除く。
一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

6 この法律において「通貨建資産」とは、本邦通貨若しくは外国通貨をもって表示され、又は本邦通貨若しくは外国通貨をもって債務の履行、払戻しその他これらに準ずるもの(以下この項において「債務の履行等」という。)が行われることとされている資産をいう。この場合において、通貨建資産をもって債務の履行等が行われることとされている資産は、通貨建資産とみなす。

7 この法律において「暗号資産交換業」とは、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいい、「暗号資産の交換等」とは、第一号及び第二号に掲げる行為をいい、「暗号資産の管理」とは、第四号に掲げる行為をいう。
一 暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換
二 前号に掲げる行為の媒介、取次ぎ又は代理
三 その行う前二号に掲げる行為に関して、利用者の金銭の管理をすること。
四 他人のために暗号資産の管理をすること(当該管理を業として行うことにつき他の法律に特別の規定のある場合を除く。)。

8 この法律において「暗号資産交換業者」とは、第六十三条の二の登録を受けた者をいう。

第63条の2(暗号資産交換業者の登録)
暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない。

出資法

第2条(預り金の禁止)
1 業として預り金をするにつき他の法律に特別の規定のある者を除く外、何人も業として預り金をしてはならない。

2 前項の「預り金」とは、不特定かつ多数の者からの金銭の受入れであつて、次に掲げるものをいう。
一 預金、貯金又は定期積金の受入れ
二 社債、借入金その他いかなる名義をもつてするかを問わず、前号に掲げるものと同様の経済的性質を有するもの

以 上
11月5日 改訂


[1] 金融庁事務ガイドライン第三分冊金融会社関係16暗号資産交換業者関係Ⅰ-1-2-2

[2] 金融庁パブコメ回答4頁9番等[令2.4.3]

[3] 金融庁事務ガイドライン第三分冊金融会社関係16暗号資産交換業者関係Ⅰ-1-2-2③

[4] 金融庁事務ガイドライン第三分冊金融会社関係2預り金関係2-1-1 (2)

[5] 除外事由には、①出資者の全員が出資対象事業に関与する場合として政令に定めるもの(イ)、②出資者が拠出した額を超えて配当又は財産の分配を受けないもの(ロ)、③保険契約、共済契約又は不動産特定共同事業契約等に基づく権利(ハ)、④当該権利を有価証券とみなさなくても公益又は投資家の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして政令で定める権利(ニ)がある。

[6] 以下の要件の全てに該当する場合には電子記録移転権利から除外される(定義府令9条の2第1項)
(1)トークンを次のいずれかに該当する者以外の者に取得させ又は移転することができないようにする技術的措置がとられていること
① 適格機関投資家
② 特例業務対象投資家
(2)トークンの移転の都度、トークンを有する者からの申出及び当該権利の発行者の承諾を要する技術的措置がとられていること

[7] 法定通貨担保型ステーブルコインのうち通貨建資産に該当するものは本邦では暗号資産ではないため、法定通貨担保型ステーブルコインと暗号資産の交換を実行する場合には、法律の文言上は暗号資産の売買にも暗号資産の交換にも当てはまらないように思わる。この場合、日本法上どのように扱われるかは不明である。

[8] 「民法(債権)関係の改正に関する検討事項 – 法制審議会民法(債権関係)部会資料<詳細版>」659頁より

[9] DeFi上のスマートコントラクトへの暗号資産のロックの法的性質については「イールドファーミング/リクイディティマイニング/Compoundと日本法」「IV- 2 レンディングによるデポジットと資金決済法」を参照のこと https://innovationlaw.jp/yield-farming-and-liquidity-mining-in-japan/

[10] 加毛明「仮想通貨の私法上の法的性質―ビットコインのプログラム・コードとその法的評価」16頁