犯収法関係

2017.03.24

本日のパブコメ結果発表を受け、2017年4月1日以降に取引所の本人確認がどうなるのか多くの方から聞かれたため、現時点での整理です。一部、金融庁に確認した部分もありますが、速報ベースですので今後、変更の可能性があります。

1. 本年3月31日までの既存顧客

(1) ①200万円相当以下の仮想通貨の交換、②10万円相当以下の仮想通貨の送付、については新たな本人確認を行うことなく引き続き取引を行うことができます。

(2) 理由としては、「特定取引」の定義は、①継続的取引を行う口座開設、②200万円相当以上の仮想通貨の交換、③10万円相当以上の仮想通貨の送付、なのですが(犯収法施行令7条1項ヨ、タ、レ)、本年3月31日以前に口座開設が済んでいる場合には、4月1日以降に新たに②又は③が発生しない限り、犯収法相当の本人確認は行わなくて良い、ということのようです(犯収法関係パブコメ8番)。

(3) 但し、犯収法の規定上は上記の通りですが、取引所に適用あるガイドライン等の関係上、犯収法相当の確認のお願いを継続して行っていく必要はあります。(例えばガイドラインII-2-1-2-1(注1)

(4) 差し当たっては、既存顧客については、アカウントクラスを分け、上記(2)②③ができるクラス(犯収法本人確認済み)と、できないクラス(犯収法上の本人確認が未済)とに分けることになるかと思われます。

2.   本年4月1日以降の新規顧客

(1) 犯収法上の本人確認をしないと口座開設ができません。

(2) 上記は本年3月31日までに営業を行っている取引所で、現時点で金融庁への登録が未済の取引所の場合に当てはまります。本年3月31日までに営業を行っていた取引所については、金融庁への登録がなくても猶予措置で原則半年間は営業ができるのですが(改正法附則第8条第2項)、この間も「みなし仮想通貨交換業者」として、犯収法の本人確認を行う義務が生じます(犯収法関係パブコメ7番)。なお、本年3月31日までに営業を開始していない取引所は、4月1日以降、登録なくして取引を行うことはできません。

(3) 本人確認の方法ですが、個人の場合、「本人確認事項(名前、生年月日、住所)の確認」+「取引目的の確認」+「職業の確認」+「PEPSでないことの確認(申告ベース)」をする必要があります(個人の場合)。

(4) 更に、非対面取引においては、取引所からは、①本人限定郵便の送付、②免許証等のupload +転送不要の書留郵便の送付、③マイナンバーカードによる電子認証、のいずれかの方法により本人確認がなされます。なお、一般に①②の郵送を行っているが、まだ郵便が届いていない、という間については取引を行ってよい、と考えられています。

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なお、具体的な適用関係については自身の弁護士等にご確認下さい。