8月4日~8月13日にかけて、暑い日本を脱出してバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)、ベラルーシ、ウクライナに行ってきました。
同地でブロックチェーン企業、弁護士、政府関係者などに会ってきたので、備忘です。
IT大国、IT技術の導入について積極的
同国FSAもフレンドリー、例えばE residency。
但し、世界に電子大国と言っているほどにはブロックチェーン企業は多くない
クリプト特有の規制はない
Fiatとクリプトの交換にはマネロン規制が適用される。この登録が必要だが登録自体は簡単(24時間、300ユーロ?)
クリプト関係について銀行口座開設は困難。ICOを行っても銀行口座が開設できる可能性は10%程度。
銀行ではなくpayment institutionなどを使用。
ICOについてはSecurity Law(証券法)の規制がかかる場合があるが、それ以外の規制はない。一般的な規制がかかる。
クラウドファンディングに規制はない
Security Lawの適用ある場合、Security Lawにaccredit investor(適格投資家)というスキームはない。
2.5M Euro以上の調達の場合にはSecurity Lawを遵守
ICOは盛ん。ICOコンサル等存在。
ICOに関するガイドラインを政府と一緒に作成中、ホワイトペーパーに最低限書くべき事項など
FinTech、仮想通貨、ブロックチェーン、ICOについてはミーティングで聞いた限りでは特筆すべき点はないように思った。
クリプト特有の規制なし。Generalな規制は適用、マネロン規制も適用
エストニアに比べて保守的
ECBの規制の関係があり、クリプトについて銀行口座開設は困難。
銀行はクリプトにフレンドリーではない
e-money licenseの取得は容易(2ヶ月から3ヶ月)
ラトビアでは、大きなFinTech企業はない
Security規制を除き、ICO特有の規制なし
基本的にラトビアと同様の議論。保守性はエストニアとラトビアの中間
IT企業の誘致のために、High Tech Park(HTP)という制度があり税率0%。クリプトからfiatに交換する際に1%の税率。従業員の雇用に際して月USD150のSocial Security Contribution
Employeeは収入に対して9%フラットのタックスレート
HTPに対しては事業計画を提出して、認可をとるのに2~3ヶ月(準備に弁護士報酬USD20,000など。事例による)
IT企業200社以上認可済み
全てのクリプト事業(マイニング、ICO、exchange、ATMなど)を既にHTPで合法化
EUの規制下にないのでクリプトでも銀行口座を開けやすい(ロシア系のAlfa Bankなど)
HTPに関してはcorruptionはない。我々の国はロシアやウクライナと違って仕事がしやすい、とのこと
ベラルーシ人はロシア入国やロシアで働くことに関してVISA不要とのこと
マルタは良いけど、ECBが厳しいし、ベラルーシに来てくれ、とのこと
ICOはHTPで合法化されている
ICOで調達したクリプトについてはフィアットに交換したい場合、High Tech Park内のexchangeでドルユーロベラルーシルーブルなどに交換すること(まだexchangeなし)が原則になると。但し、HTP登録の際の計画で他のexchangeを利用と記載して認められていれば他のexchangeでも交換OK
本年の10月、11月を目処に仮想通貨に関するsecondary legislationを出したい。AML/KYCなどの規制を含むが、ICOについても記載し、他国の情報も踏まえて世界をリードする規制としたい。日本の状況も知りたい。
HTPは観念上の概念であり、同所に登録した場合、ベラルーシ国中で勧誘可能
ただし、まだ現在はHTPでのICOの実施例はないとのこと
Tax Benefit大きい。HTPの担当者やHTPの弁護士はかなり積極的であったが、ブロックチェーンスタートアップと話した際には現実には今はまだまだ難しいですよとのことであり、各種実例を見てから検討か?
ロシア、ウクライナでは仮想通貨に関する政府の規制が厳しい
ブロックチェーンエンジニアは多いが、キプロス、マルタ、シンガポールなど海外を登録地にして起業。実際の運営をキエフやモスクワ、サンクトペテルブルクなどで行う、というパターンが多い。その方法自体は問題視されていない。
Corruptionについて聞いたところ、この分野についてはcorruptionはない、とのことであった
規制が厳しい
画像はベラルーシHTPのプレゼン資料の一部です。大きくてすみません・・・